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補聴器の充電と安全性について

近ごろ、携帯バッテリーの発火事故などが多く報じられています。
その影響もあり、「補聴器の充電は大丈夫?」というご相談をいただくことが増えました。
この記事では、補聴器の充電に関する安全性と、正しい保管・お手入れ方法をわかりやすく解説します。
結論からお伝えすると、オーティコン社の充電式補聴器は過充電の心配がありません。
ここでは、安全にお使いいただくためのポイントをわかりやすくまとめました。
補聴器は過充電の心配がありません

オーティコン社の充電式補聴器にはリチウムイオン電池が搭載されています。
この電池は、
- ・満充電に達すると自動的に充電を停止
- ・残量が減ると必要な分だけ再び充電を開始
といった安全制御が組み込まれており、
過充電による劣化や発火リスクはほとんどありません。
スマートフォンなどと同じ、安全性の高い仕組みです。
コンセントまわりの安全にもご注意を

発火の原因は過充電だけではありません。以下のようなケースでも火災は起こり得ます。
- たこ足配線による過負荷
- コンセントやプラグのほこりによる「トラッキング現象」
補聴器の充電器は必ず付属の純正アダプタを使用し、コンセント周辺を清潔に保つことで安全性が高まります。
過放電について(ここが最重要!)

一方で注意したいのは「過放電」です。
リチウムイオン電池は、
残量ゼロのまま6ヵ月以上放置すると内部劣化が進み、再充電できなくなることがあります。
この場合、電池の交換が必要になり、余計な費用や手間が発生してしまいます。
長期間使用しないときの正しい保管方法(メーカー推奨)

長期間補聴器を使わないときは、以下の点を守ってください。
- 補聴器を100%まで充電してから保管する
- 半年に一度は取り出してフル充電を行う
- 高温多湿を避け、常温で保管する
この方法で、電池を健全な状態に保ち、故障を防ぐことができます。
これで安心!充電式補聴器安全チェックリスト
【充電式補聴器をご利用の方】
□ 専用アダプタ・付属ケーブルを使っていますか?
他社製アダプタは過電流や発熱の原因になることがあります。
□ コンセント周りは清掃されていますか?
ほこりがたまると「トラッキング現象」により発火の恐れがあります。
月に一度は乾いた布でしっかり清掃を。
□ たこ足配線になっていませんか?
過負荷は発熱の原因になります。
□ 長期間使わない場合の充電ルールを守っていますか?
・補聴器を100%まで充電してから保管
・半年に一度はフル充電
・高温・多湿の場所を避ける
👂 補聴器を安全に、そして長くご使用いただくために、日々のちょっとした習慣が大切です。
ご不明点がございましたら、岩永補聴器グループ各店へお気軽にご相談ください。
執筆・監修:岩永有美子(認定補聴器技能者/Audiology (聴覚学)専攻 ・The University of Tennessee テネシー州立大学/有限会社岩永専務取締)
米国テネシー州立大学にて Audiology(聴覚学)を専攻。
現在は岩永補聴器補聴器熊本店にて、認定補聴器技能者として補聴器選定・調整、聞こえの相談対応に携わる。
学術的な知識と、日々の現場で得た実務経験をもとに、補聴器の「安全性」「聞こえの最適化」など、お客様に役立つ情報を発信しています。














