補聴器購入前に知りたい知識①
【 聴力 】
こんにちは。岩永補聴器ヒアリングデザイン博多店の岩崎です。
〈補聴器購入前に知りたい知識〉今回は【 聴力 】についてご説明したいと思います。
目次
1┃聴力とは?
2┃気導聴力と骨導聴力
3┃平均聴力と難聴度合い
4┃ まとめ
1┃聴力とは?
聴力は『音を判別できる能力』『音に対する感受性』など、さまざまな解説がされていますが、簡単に言うと どこまで小さな音を聞き取れるかというものです。
これは耳鼻咽喉科で検査ができます。

検査結果はオージオグラムというグラフに記入されます。

この結果によって耳鼻咽喉科医師が難聴かどうか判断します。
一般的に左の数字 40 を下回ってきたら補聴器装用を勧められますが、聞こえの困り具合は人それぞれです。
実際40に満たなくても補聴器の相談にご来店される方は多くいらっしゃいます。

2┃気導聴力と骨導聴力
聴力について説明しましたが、実は聴力にも2種類あります。
一つは気導聴力、もう一つは骨導聴力です。
◇ 気導聴力
これはヘッドフォンをつけてどれだけ小さな音が聞こえるかを測定する検査です。
この検査は健康診断でも使われるため、どなたでも一度は受けたことがある検査だと思います。
右耳は赤で〇印、左耳は青で×印で記入します。
◇ 骨導聴力
これは耳の後ろにある乳突部という出っ張りに振動板を当てて測定する検査になります。
右耳は赤で[ 左耳は青で ]で記入します。
音は物理的に言うと音波であり、音波とは空気や物体の振動で伝わります。
すなわち、鼓膜を介さなくても音波(振動)が音を感じ取る器官に伝われば音は聞こえるのです。
☆ 2つの測定をする理由
これらの測定をするのは耳の状態を把握しやすくするためです。
音が脳に届くまでの過程を簡単に説明すると、耳の入り口 ⇒ 鼓膜 ⇒ 耳小骨 ⇒ 蝸牛 ⇒ 蝸牛神経 ⇒ 脳 という流れになります。
ヘッドフォンで測定する気導測定は仮に良くない結果が出ても脳までのどの部分が原因か分かりません。
骨導測定は蝸牛と呼ばれる部分に直接振動で音を伝える検査なので、良くない結果が出た場合は蝸牛・蝸牛神経、どちらかに原因があることが分かります。
耳の入り口から耳小骨までに何らかの原因があり難聴になっていたら治療できる可能性もあるため、耳の状態をできるだけ正確に把握しないといけません。
そのために気導測定、骨導測定を行うのです。
3┃平均聴力と難聴度合い
一般的に聴力は加齢とともに低下していくと言われています。加齢性難聴と呼ばれていますね。
各年齢における平均聴力は下のオージオグラムが目安になります。

オージオグラムの見方を簡単に説明すると
・縦軸 ⇒ 音の大小(下にいくほど音は大きくなる)単位はdBHL
・横軸 ⇒ 音の種類・音階(左側は低音域、右側は高音域)単位はHz
横軸の各音域に対し縦軸でどれくらい聞こえているかを見ます。
グラフにある年齢がその年代の平均聴力です。
40歳代からグラフが段々下に下がってきていることが分かりますね。
加齢性難聴は高音域から低下するのが特徴で、高音斬傾型と呼ばれます。
一番左には正常~重度難聴という文字がありますが、これは難聴の程度が記載されています。色分けされているので見やすいですね。
正常 :~25dBHL
軽度難聴 :25dBHL~40dBHL
中等度難聴:40dBHL~70dBHL
高度難聴 :70dBHL~90dBHL
重度難聴 :90dBHL~
オージオグラムの説明で40dBHLから補聴器装用を勧められることが多いと書きましたが、分類上では25dBHLから軽度難聴になり、実際に会議や集会では聞き取りにくさが出て補聴器を検討される方はいらっしゃいます。
中等度難聴以上になると様々なところで聞き取りにくさが出て生活に影響が出るため、QOLを維持するためにも補聴器装用を検討しましょう。
※ちなみに両耳70dBHLより聞こえが低下していると身体障害者手帳に該当します。
4┃まとめ
今回は【 聴力 】について説明しました。【 聴力 】は聞こえや補聴器に関する全ての基本となります。
難聴かな?補聴器買った方が良いかな?と思われる方は、先ず耳鼻咽喉科で耳の診察を受け聴力を測定してもらうようにしましょう。