初めて当店へご来店されるお客様の中には、補聴器をつけることに抵抗を感じておられる方もいらっしゃいます。しかし、当店で補聴器を合わせると、ほとんどの方がもっと早く来れば良かったと喜んでいただいております。
逆に聞こえにくい状態を何年も放置し続けていると、脳は音が入らない状態を正常だと勘違いしてしまいます。補聴器をいざ装用しようとした時に、脳が音をなかなか受け付けてくれないので、音を受け入れられるようになるまで時間がかかり、補聴器に慣れるのにも時間がかかるケースが多々あります。聞こえで不自由を感じられたら、心の健康のためにも、考える力を衰えさせないためにも、補聴器の早期装用をお勧めします。
聞こえ方は一人ひとり違います。補聴器はその人の状態にあわせて細かく調整をすることで、はじめて真価を発揮する医療機器です。その調整には経験に基づいた知識と技術が必要です。
近年ではメガネ店などでも補聴器を販売していますが、製品を購入するだけでは満足のいく結果は得られません。知識と技術、そして経験を持ったスタッフがいる補聴器専門店で購入することをおすすめします。そして購入した後は、満足できるまで何度でもお店に行ってとことん相談しましょう。
日常生活のどういう場面で聞こえを改善したいですか?
まずはそこを明確にしましょう。
補聴器は買い方を間違えると、失敗につながることが多いのも事実です。補聴器を買ううえで一番大切なことは、ご自身が日常生活の「どういう場面での聞こえを良くしたいか」を明確にすることです。
ライフスタイルは人それぞれなので、聞こえで困っている場面も人それぞれです。1対1の会話で困っているのか、テレビを楽しむうえで困っているのか、電話の聞き取りで困っているのか、会議や会合の聞き取りで困っているのか、そこを把握することで「どういうタイプの補聴器を、どう使うべきか」が明確になり、満足できる補聴器選びへとつながります。
今まで音がない状態に慣れてしまった耳(神経)に音を入れていきますので、最初から言葉が分かるわけではありません。個人差はありますがある程度の時間が必要になります。音に慣れて言葉が分かるようになるまで、お店できめ細かい調整をしながら毎日補聴器を使うことが大事です。
補聴器でうまくいかない方は、ここでつまずく方がほとんどです。結果を早急に求めると失敗してしまいます。動かしていなかった神経を動かしていくわけですから、トレーニングが必要です。従って、補聴器を使う本人にやる気があることが前提となります。「補聴器を使って聞こえるようになりたい!」という意思があって初めて、私たちが聞こえをサポートすることができるのです。
補聴器を使うことにより、今まで聞こえていなかった音が聞こえるようになります。
そのため周りの騒音を「雑音」と感じることが多いようです。
また、聞こえが悪くなってから何十年も経って補聴器をすると、
今まで忘れていた音が一度に入ってきます。
これが「やかましい」と感じる原因になることもあります。
ですが、デジタル補聴器の中には周りの騒音を静かにする機能が
付いているものもありますのでご安心ください。
また、フィッティングがうまくいっていない場合も、雑音ばかりが入ってきてしまったり、
補聴器がハウリングを起こしてピーピーいってしまう場合があります。
補聴器専門店でしっかりと調整・フィッティングをおこなうことが大事です。
補聴器にはいろいろなタイプがあります。
大きく分類するとお客様の耳型を取って作るオーダーメイド補聴器、
耳の後ろにかける耳掛形補聴器、そしてコード式の箱型補聴器の3種類となります。
最も目立たないのはオーダーメイド補聴器です。
オーダーメイドの中で一番小さいものはIIC(CIC)タイプといい、
横から覗き込まないかぎり補聴器を付けていると分からないくらいのサイズです。
また、最近では多彩なカラーバリエーションの補聴器も登場し、
様々なバリエーションの中からお好みの色を選ぶことができ、
アクセサリー感覚で身に付けていただけます。
詳しくは、補聴器の形状についてのページをご覧ください。
難聴を放置したままでいると認知能力の低下につながる恐れがあることは既に良く知られています。
2015年10月、米国学会誌で発表された研究結果から、補聴器を装用することで難聴のある人の認知能力の低下を抑えることが証明されました。高齢者が難聴により社会との関わりを失うと、認知能力が低下する可能性が高くなることについて、この分野の専門家の意見は一致しています。
難聴を放置したままでいると認知能力の低難聴者が補聴器を使用することで、再び積極的に社会との関わり持てるようになり、これまで通りの社会活動を維持することで、認知能力が低下するスピードを抑えられることが研究によって証明されました。