補聴器メーカー【オーティコン】紹介 聞きたい音を聞きやすくする先進技術

よく、補聴器メーカーってどのメーカーが良いの?と聞かれます。
ネットで検索するとメーカーのホームページは見れますが、そのメーカーの特徴や強みを理解するのはなかなかに難しいです。
今回は、補聴器メーカー【オーティコン】の補聴器の特徴をご紹介いたします。
補聴器購入を検討されている方の手助けになればと思います。
目次
オーティコンの概要

オーティコンは、1904年にデンマーク王国で生まれました。
創業者のハンス・デマントは聴覚障害をもつ妻のために、世界で最初の電子補聴器を輸入し流通を開始。
これが、現在では100カ国以上で補聴器販売を行っているオーティコンの始まりでした。
企業理念は『Life-Changing technology』
難聴者を中心に考え、聞こえに悩む人々の人生を変える(Life-changing)のために、最先端の技術(technology)を提供し続ける、という2つの理念をあらわしています。
日本にはデマント・ジャパン株式会社という法人が東京にあり、そこでオーティコン補聴器の流通からサポートまで行っています。
デマント(Demant)グループ

オーティコンは、厳密にいうとデマントグループの主要補聴器メーカーという位置づけです。
デマントグループには、オーティコン以外にもバーナフォンとフィリップスという2つのメーカーが存在します。


デマントグループは世界の補聴器シェアで上位に位置しており、補聴器が持つ高い技術と先進性が世界中のユーザーから支持されていることが分かります。
また、補聴器以外にも聴覚診断装置や医療用機器などの事業を展開しています。
オーティコンのブレインヒアリング
【人は耳ではなく脳で音を聞いている】
という考え方は、オーティコンが30年以上に渡り行っている全ての活動の基礎部分です。
この『脳から聞こえを考える』ことをブレインヒアリングと呼んでいます。
これは数ある補聴器メーカーの中でもオーティコン独自の考え方であり、魅力でもあります。

考えてみると当たり前で、私たちが音や話声を聞いてそれを理解できるのは、脳が音の情報を処理しているからです。
耳は音の受け皿であり意味を理解している訳ではありません。
オーティコンは、「聞いた音の意味を理解する」という脳の自然なプロセスをどのようにサポートするかについて広範な研究を行い、製品開発に活かしています。
騒がしい中で言葉を聞き取りやすくするオーティコンの技術
補聴器を使用されている人にとって一番求めるのは『言葉の聞き取りと理解向上』
しかし、静かな環境はまだしも騒がしい環境ではそのハードルが一気に上がります。
騒がしいレストランで会話するのと静かな図書館で会話するのは、言葉の聞きやすさに大きな違いが出ますよね。
それらの課題に対し、オーティコンはブレインヒアリングの考え方で様々な技術を生み出してきました。
360度の聞こえの世界
皆さんは会話する時、どういう状況で会話しますか?
正面から?横並びで?離れたところから?それは静かな場所ですか?騒がしい場所ですか?
状況によるよ、と言われる方が多いと思いますが、以前の補聴器は正面からの話を聞くことを前提に作られていました。
正面からの音は確保して、横や後ろの音は会話を邪魔する音として抑制されていたのです。
オーティコンはこれらの問題にある回答を出しました。
それが、360度の音情景をスキャンして、世の音情報を補聴器装用者に正しく伝えることでした。
【従来の聴覚ケアの考え方】
会話の理解のみを重視して、一方向に焦点を当てることによって他の音を制限していた。

従来の補聴器は正面以外の話は聞こえにくいため、音の全体像が掴めない。正面の人が他の人の話で笑っていたとしても、他の人の話が聞こえにくいので状況についていけない。
【オーティコンの360度の聞こえの世界】
周囲360度の音を毎秒500回スキャンし、周囲の音をより自然でクリアな状態で届ける。

360度の聞こえは周囲の音情景が分かりやすくなるので、正面以外の会話は勿論のこと、全体の状況が分かりやすくなり、会話についていく労力も軽減される。(疲れにくくなる)
この技術は、複数の人が交わす会話でも聞きたい言葉に耳を傾けやすくなるだけでなく、聞く労力の軽減や音空間認知の向上といった様々な部分でメリットを得られます。
2016年に発売された補聴器『オープン』に初めて搭載されたこの機能は、オーティコンの重要機能として以降の主力補聴器に搭載されています。
人工知能DNN
いわゆる『AI』と呼ばれるもので、オーティコンもDNN(ディープ・ニューラル・ネットワーク)というAIを使っています。
補聴器にDNNを取り入れたのはオーティコンが先駆けであり、DNNが初めて搭載された補聴器(オーティコン モア)は発売当初大きな話題になりました。

【補聴器でのDNNの役割】
オーティコンは、DNNに世界にある1,200万もの実際の音のシーンについて分析・整理・バランスを図る方法を学習させ補聴器に組み込みました。
補聴器が周囲の音をスキャンした時、周囲のいろんな音をDNNが学習した音情報と照らし合わせて分析し調整します。
例えば車の音。
補聴器が音の正体が車と分析できれば、どれくらいの音量に調整すれば良いかベストな判断ができます。
会話があれば会話の邪魔にならない程度に、そうでなければ耳障りにならない程度に調整する。
私たちは常に様々な音を聞き、必要な音とそうでない音を瞬間で判断し、必要だと思った音に耳を傾けます。
一部の音だけ極端に抑えたり上げたりするような音のバランスは違和感が強く、脳が瞬間的に行う聞こえの判断を困難にすることもあります。
DNNのメリットは、個々の音が何なのか判断し最適なバランスに調整することで得られる自然な音環境であり、補聴器をつけている人が聞きたい音に自然に耳を傾けやすくするのです。
現在は更に多様な音のサンプルを元に再学習したDNN2.0搭載の補聴器(オーティコン インテント、オウンSI)に組み込まれています。
じぶんセンサー(4Dセンサー)
どんなに音のバランスを調整しても、補聴器にはどうしても課題が残ります。
分かりやすいよう下に例を出しますね。
例えば、家族三人でショッピングモールに来ている時
◎お父さん:店員さんの話を聞きながら商品を選んでいる。
⇒店員さんの説明を聞きたい。
◎お母さん:館内アナウンスを聞きながら商品説明を受け、子供から話しかけられている。
⇒館内アナウンスも店員さんの話も聞きたいが子供の話も聞かないといけない。
◎子供:おもちゃ屋に連れて行って欲しいとお母さんに話しかけている。
⇒お母さんの話は聞きたいけど店員さんの話は興味がなく聞きたくない。
◎店員さん:お父さんお母さんに説明をしている。レジにある内線の電話が鳴っている。
⇒お父さんとお母さんと会話しながら内線の電話にも耳を傾けている。
店員さんの話をお父さんとお母さんは聞きたいけど、子供は聞きたくない。
お母さんは館内アナウンスと子供の話も聞かないといけない。
店員さんはレジにある内線の電話の音も聞こえないといけないけど、家族三人は聞こえなくて良い。
補聴器の世界では、これは非常に難しい課題です。
上記の例でいうと、補聴器をどんなに調整しても下記のようなことが発生するからです。
館内アナウンスを聞かなくてよい時に館内アナウンスが聞こえると『ザワザワする雑音』
館内アナウンスを聞きたい時に館内アナウンスが聞こえないと『聞こえない不満』
店員さんの声が一番大きく聞こえると、店員さんの話を聞きたい時は『聞こえる満足』
店員さんの声が一番大きく聞こえると、店員さんの話を聞かなくてよい時は『店員さんの声が大きく、聞きたい人の話が聞こえにくい不満』
離れた内線の電話が鳴っている音が聞こえると、その音を聞きたい時は『聞こえる満足』
離れた内線の電話が鳴っている音が聞こえると、その音を聞きたくない時は『離れた音も入って耳障りに感じる不満』
【オーティコンが出した、じぶんセンサー(4Dセンサー)という対策】
この課題は、要約すると『補聴器は周囲の環境音は分析できても、ユーザーのニーズは検知できない』というものです。
オーティコンは、対策として補聴器にセンサーを組み込みました。
じぶんセンサー(4Dセンサー)と呼ばれるそれは、一人ひとりの「意図」を感知・理解し、個々の聞こえのニーズをサポートする世界初※のテクノロジーになります。

補聴器に組み込まれたセンサーは、4つのセンサーで補聴器装用者の”したい”こと”聞きたい”ことを検知します。
・音響環境:ユーザーの周囲360度の音の情景の詳細を収集します。音の情景は同一の環境の中でも、また環境や状況の変化に伴っても変わります。
・頭部の動き:ユーザーが頭をどのように動かしているかあるいは頭の動きがあるかを検知し、その動きからコミュニケーションの状況を理解します。
・身体の動き:物理的な身体の動きに反応して、空間認識に関するサポートを増やす必要性があるかの予測を行います。
・会話活動:会話が行われているかどうかをモニターし、その情報をシステムに伝え、会話音声を優先的に処理するように指示します。
頭を向けている方向に会話があるか、会話音に対し正面を向いているか背を向けているか、音がした時にそちらを振り向いているか、等々。
頭と身体の動きの検知、360度の周囲の音情景のスキャン、そしてDNNが行う音の分析とバランス調整が補聴器装用者の意図を分析し聞きたい音に耳を傾けやすくするサポートを行ってくれます。
このじぶんセンサー(4Dセンサー)は、「聞いた音の意味を理解する」という脳の自然なプロセスをどのようにサポートするかについて広範な研究を行い製品開発に活かしているオーティコンならではの素晴らしい機能ですね。
オーティコンの補聴器
オーティコンは長い歴史の中で数多くの補聴器を世に出してきました。
ここからは、近年発売されて今もカタログに掲載されている補聴器をいくつかご紹介いたします。
インテント【Intent】
日本では2024年6月6日(補聴器の日)に発売された、じぶんセンサー(4Dセンサー)搭載の補聴器

オーティコンではRITEタイプと呼ばれる、耳にかける外耳道レシーバーの充電式補聴器

モバイルチャージャーにもなる充電器

DNN2.0や4Dセンサーが入ったシリウスチップ

補聴器を装用しても目立ちにくい
インテントは1・2・3・4と性能の違いでクラス分けされており、全ての機能が最大限使用できるのはインテント1。
全てのクラスでスマートフォントと接続ができ、アプリでボリュームや音質の調整も可能。ストリーミングで音楽や動画音の再生※1、ハンズフリー通話※2にも対応しており、使い勝手はとても良い。
価格はオープン価格
※1※2 iPhoneおよびAndroidではAndroid10以上でASHA対応器種に対応しているもの。
オウン SI【Own SI】
日本では2025年5月13日に発売された電池式のオーダーメイド耳あな型補聴器オウンSI

オーティコンの耳あな型の中では最も小型でIICと呼ばれるサイズ

装用していても殆ど分からないくらい小さい

小型ながら音量調整ができるCICと呼ばれるサイズ

こちらもとても目立ちにくい
インテントと同じシリウスチップを搭載しており、AIはDNN2.0が使われている。
小型の耳あな型補聴器は、外耳と呼ばれる耳たぶ本来の自然な集音機能を使っているため、じぶんセンサー(4Dセンサー)などの一部機能が入っていない。
その他、機械を入れるスペースの問題上Blutooth機能が無かったり、もともと影響が少ないことから風切音抑制機能が入っていなかったりと耳かけ型補聴器と比べると機能は少ない。
しかし、耳の中に入れてしまう耳あな型補聴器は、耳かけ型とは違う使い勝手の良さなど魅力がある。
インテントと同様性能の違いで1・2・3・4とクラス分けされている。
価格はオープン価格
ジェット PX【Jet PX】
日本では2025年5月に発売。
インテントやオウンSIのような先進技術は搭載されていないが、シンプルな基本性能は搭載されていて、種類も多く用意されている。
耳かけ型

ミニRITE(充電式)

ミニRITE(電池式)

ミニBTE(充電式)

ミニBTE(電池式)
耳あな型

IIC

CIC

カナル

ハーフ

フル
ジェットPXは、1・2と性能違いでクラス分けされている。
この1と2は大きな差があり、1はDNN1.0が搭載されているが、2はDNN自体が搭載されていない。
その他にも言葉を聞き取りやすくする機能や雑音抑制機能にもそれなりに差がある。
スマートフォンとの連携はでき※、アプリで音量や音質調整のほか、ストリーミング機能も備わっている。
価格はオープン価格
※IICとCICは除く
まとめ
いかがでしたか?
オーティコンが聞こえの課題に対してどのようにアプローチしているか、少しご理解いただけたのではないでしょうか。
補聴器を検討されていて興味を持たれた方は、ぜひ一度お近くのオーティコン補聴器販売店で試聴してみてください。
もちろん、当社でもオーティコン補聴器は販売しておりご試聴も可能です。
福岡・佐賀・長崎・熊本にお住いの方は、ぜひ岩永補聴器グループまでお問い合わせください。
執筆・監修

認定補聴器技能者【岩永補聴器ヒアリングデザイン博多店 店長】
博多の地で10年以上にわたり、幅広い年代の方々に聞こえの支援をしています。
特に、九州でも導入が少ない実耳測定(REM測定)に力を入れ、ひとり一人の聞こえにフィットした聞こえを提供します。
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