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自然な聞こえをここに!WIDEX ALLUREの魅力を徹底解説

この記事は、最新のAI補聴器『WIDEX ALLURE』(ワイデックス アルーア)に関心を持つ方々向けに書いています。
『WIDEX ALLURE』の機能や特徴を解説し、読んでいる方が自分に最適な補聴器を見つける手助けになればと思います。

WIDEX ALLUREとは?

『WIDEX ALLURE』は、デンマークの補聴器メーカーWIDEXが開発したAI補聴器で、2025年8月に発売されました。
WIDEXから全く新しい補聴器が発売されるのは実に5年ぶりであり、期待が高まっていた補聴器でもあります。
注目すべきは新開発の【W1チップ】で、これまでのWIDEX補聴器より信号処理スピードが最大4倍、搭載メモリ4.5倍と大幅に性能が向上しています。
これにより、これまでWIDEXが得意としていた〔自然な音質を作り出す ピュアサウンド〕や〔言葉の聴き取りを大きく助ける スピーチエンハンサー〕などが更なる進化を遂げています。
『WIDEX ALLURE』は、音質の自然さや明瞭性を追求し最新技術を駆使して開発された補聴器なのです。

補聴器メーカーWIDEXとは?

WIDEX(ワイデックス)は1956年にデンマークの郊外でエリック・ウェスタンマークとクリスチャン・トップホルムの2人によって設立された、補聴器専業の長い歴史を持つブランドです。
これまで、世界初の耳穴型補聴器やフルデジタル補聴器といった業界を牽引する補聴器を数多く生み出し、1996年に開発した超小型フルサイズデジタル補聴器は、アメリカのスミソニアン博物館で”人類の幸福に貢献する補聴器”として展示されるなど、世界にも認められています。
最近では世界中のユーザーの使用状況を蓄積し、そのビックデータを活用して快適な音を補聴器が自動で届けるなど、クラウドを活用した補聴器開発にも力を入れており、製品に注目が集まっています。

WIDEX ALLUREの注目機能

ALLURE ピュアサウンド

ピュアサウンドは、ユーザーが新しい補聴器に慣れる際の大きな障壁の一つ「人工的な機械音」を解決するために作られました。

補聴器は 原音を処理・加工し音として再生する というプロセスが発生します。
補聴器の宿命として避けられないものですが、このプロセスにより耳栓の隙間から入る原音と補聴器から出る音にズレが生じてしまい、これが人工的な音に聞こえてしまう理由の一つとなっています。

これを解消しようと開発された技術が、ワイデックス独自の〔ゼロディレイ テクノロジー〕であり、補聴器の出力の遅れが驚異の0.001秒以下という延滞の短さを実現しました。耳栓の隙間から入ってくる音と補聴器から増幅された音がほぼズレることなく聞こえるため、とても自然に近い音に感じるのです。
この限りなく延滞がゼロに近い自然な音質は【ピュアサウンド】と名付けられています。

出典:ワイデックス補聴器

ピュアサウンドには様々なメリットがあり、WIDEXがピュアサウンドのテストを実施した際、装用者の約95%が「ピュアサウンドで聞くと、音がしている場所をはっきりと把握できる感じがする」と回答した、という結果もあります。

今回発売されたALLUREでは、ピュアサウンドが更に進化。ピュアサウンドの良質な音質を保ちながら、従来のワイデックス補聴器に比べ聞き取りが20%も向上しました。

スピーチエンハンサー Pro

スピーチエンハンサーProにもWIDEXのこだわりが詰まっています。
この機能は、音声と騒音を52バンドという細かさで分析、その場の音響条件や聞こえ方に応じて周囲の騒音を抑えて言葉を強調します。騒がしい環境での比較では、92%の人がALLUREを選択しました。※1
注目すべきは、周囲の音を極端に抑えることはせず、自然な音環境の中で言葉をより聴き取りやすくする、という点です。
周囲の環境音を抑えて言葉の明瞭性を確保しようとする補聴器は多くありますが、それは不自然さを生み出すこともあります。
私達の日常は様々な音に溢れています。それを極端に抑えず、あくまで自然に言葉を聞きやすくするのは、音質の自然さと明瞭性を追求するWIDEXならではの技術ですね。

※スピーチエンハンサーProはグレードによって性能が変わります。

出典:ワイデックス補聴器

※1:Balling LW., Vormann M, Mansour N. (2025). Widex Allure: A Better Speech-in-Noise Experience with Balanced Focus and Awareness. WidexPress 55

サウンドクラス

WIDEXの定評があるAI技術の一つ、サウンドクラス。
環境に応じて補聴器が適正な音設定に自動で切り替えてくれる機能です。
静かな屋内から騒がしい街中へ、電車やバスの中、会議や大人数での会食など、環境に合わせて音のバランスを自動で調整、いつでも最適な音を届けてくれます。

実は、多くの補聴器にはプログラム機能というものがあり、予め設定した聞こえに切り替えることができます。
図書館で静かな声での会話と、騒がしい居酒屋での会話は、環境があまりにも違いますよね。そんな時にプログラムを使い、予め想定した環境に合わせて設定した聞こえに切り替える、という使い方です。しかし、その場その場に応じて聞こえを切り替えるのは中々に大変であり、そもそもそこまで環境を想定するのは難しくもあります。

WIDEXのサウンドクラスは、そんな環境の変化にも補聴器が自動で対応してくれる素晴らしい機能なのです。

※サウンドクラスの数(対応する環境数)はグレードによって変わります。

タイムドメインフィルターバンク

タイムドメインフィルターバンクは、補聴器内での音声処理に人の聴覚構造を模倣したフィルター構造を採用した技術です。
音の区切り方を人間の耳の能力に近づけることで、WIDEXが創業以来こだわり続けてきた【自然な音質】を実現しています。

WIDEX ALLUREの機能一覧

WIEDEX ALLUREの注目機能は上記で解説していますが、それ以外にも数多くの機能が搭載されています。
以下は搭載機能一覧です。

WIDEX ALLUREの注目機能

ALLUREピュアサウンド:従来のピュアサウンドをさらに進化。より幅広い聴力にも対応し、さまざまな機能を連動させることでより多くのシーンで快適な聞こえを実現します。※パワーレシーバーは非対応。
スピーチエンハンサーPro:周囲の音を52の帯域に分けて細かく分析、個々の聞こえを考慮しつつ周囲の音を適切に処理することで、騒音化でより言葉を強調し聞き取りやすくします。
サウンドクラス シーン数:周囲の音の変化を常に分析し、あらゆる環境下で自動でより快適な聞こえを作ります。シーン数が多いほど環境や会話の有無に応じたきめ細かい音作りができます。

聞こえをサポートする機能

トゥルーアコースティック2.0:一人ひとりの耳の形や装用の状態に応じて補聴器の音を適切に補正、初めて使う方でも満足度の高い聞こえを得られます。
チャンネル数:低音域から高音域までの音をいくつに分割処理しているかを示しています。人間の耳本来の働きに合わせた独自のチャンネルフィルター構造を採用しています。
AIクイックアシスタント:世界中のWIDEXユーザーがさまざまな環境で好んだ音をビックデータとして蓄積、その環境に合わせた最適な音をAIが素早く提案します。
ダイナミックフィードバックコントローラー:周囲の環境や個々の装用状態に合わせて柔軟に対応、音量や音質を維持しながらハウリングを強力に抑えることで、会話の聞きやすさを保ちます。
新変速コンプレッション:状況に応じて対応スピードを変化させ、聞こえを最適化します。
デジタルピナ:疑似的に耳介の効果を再現、音の方向感がより自然で分かりやすくなります。
インターイヤー:左右の補聴器が連動して働き、聞こえを向上させます。
後方性指向性:背後からの音を積極的に聞く指向性です。
トゥルーサウンドAC:音の出力時に発生するひずみを事前に検知し抑えます。

不快な音や会話の妨げになる音を抑制する機能

ソフトレベル騒音抑制:エアコンや換気扇の音といった、小さくても気になる音を抑えて言葉を聞き取りやすくします。
スマートウインドマネージャー(風雑音減衰):風切り音を軽減し、言葉を聞きやすくします。
ロケーター:周囲の環境に合わせて、マイクが音を拾う範囲を自動的に調整するので、騒がしい所でも相手の声が聞き取りやすくなります。
トゥルーサウンドソフトナー:食器がぶつかる音等の衝撃音を和らげます。

一人ひとりに合わせて好みの音を作る機能

AIサウンドアシスト/サウンドセンスラーン:専用アプリでAIから提示される音から聞きやすい音を選ぶだけで補聴器を自分好みの音にカスタマイズすることができます。
リスニングプログラム:使用環境に応じて、聞こえ方のプログラム切り替えができます。

スマートフォンやワイヤレス機器と連携する機能

ストリーミング専用コンプレッション:スマホやテレビのストリーミングの音質が向上。騒がしい所でも安定した音でストリーミングを楽しむことができます。
ハンズフリー通話&コールコントロール:スマホを取り出すことなく補聴器をタップするだけで受話・終話ができます。相手の声は補聴器から聞こえ、自分の声は補聴器が拾って相手に届きます。※iPnoeのみ対応
スマートフォンとの連携:スマートフォンでの通話を直接補聴器で聞けたり、動画や音楽を楽しんだりできます。アプリを使えばスマートフォンがリモコンになります。

WIDEX ALLUREの形状・カラー・仕様

形状

WIDEX ALLUREはRICタイプと呼ばれる耳かけ型の形状をしています。
このRICタイプと呼ばれる形状は、とても軽く、目立ちにくく、装用時の違和感も他の形状と比べて少ないと言われています。補聴器につける耳栓にも形状や大きさが様々あり、多くの人の耳の形状や聴力に柔軟に合わせることができるため、重度難聴者以外でしたらどんな方にもお勧めできます。

RICタイプ補聴器

選べるカラー

カラーは全10種類から選べます。

オータムベージュ

チェストナットブラウン

ダークチェリー

オータムベージュ

ハニーブロンド

ローズゴールド

シルバーグレー

パールホワイト

テックブラック

チタニウムグレー

仕様

WIDEX ALLUREは充電タイプの補聴器で、4時間で満充電になります。
ワイヤレス機器やスマートフォンと接続せずに使用すると約28時間連続使用可能。ワイヤレス機器と接続し、ストリーミング再生を6時間使用しても約19時間連続使用可能なので、日中充電切れの心配は無いと思われます。
また、仮に充電し忘れた場合でも30分の急速充電で4時間使用可能なので安心です。

充電器は2種類あり、日ごろのメンテナンス重視なら除菌乾燥機付きのWPC301、持ち運び重視ならコンパクトなスタンダード充電器WPT301がオススメです。

除菌乾燥充電器[WPC301]
単品価格:44,000円

スタンダード充電器[WPT301]
単品価格:44,000円

より便利に!ユーザビリティに優れた ALLURE アプリ

WIDEX ALLUREには専用アプリが用意されています。
iPhone、Android共に用意されているのはとても嬉しいですね。
アプリでできることは、音量調整や充電状態の確認、ヘルプ案内や補聴器の位置情報検索など多岐にわたります。
WIDEXならではのAIサウンドアシストなども使用できるので、自分好みの音にご自身で調節も可能です。

WIDEX ALLUREの性能・価格比較

WIDEX補聴器は、同じ器種でも性能の違いによってクラスが分けられています。
最高スペックの性能はクラス440。そこから機能が少しづつ制限されクラス110まで存在します。
下の表は、クラスと価格の一覧になります。
※主要機能以外で共通して搭載されている機能と直接聞こえと関係がない機能は割愛しています。

440330220110
AI機能
チャンネル数151210
自動環境適応
サウンドクラス数
11
ALLURE
ピュアサウンド
スピーチエンハンサーPro◎(3モード)◎(3モード)〇(2モード)△(1モード)
音漏れ防止
ソフトレベル
騒音抑制
◎(3モード)◎(3モード)◎(3モード)△(1モード)
風雑音減衰◎(3モード)◎(3モード)△(1モード)△(1モード)
トゥルーサウンドソフトナー◎(3モード)◎(3モード)△(1モード)△(1モード)
デジタルピナ××
後方性指向性××
修理保証3年2年2年1年
紛失保障3年間で1回2年間で1回1年間で1回なし
価格(両耳)
価格(片耳)
134万4千円
69万4千円
82万4千円
43万4千円
62万4千円
33万4千円
48万4千円
26万4千円
上記価格は充電器代も含みます。

どのクラスが良いかはその人の聞こえに対する要望によって変わります。
目安として、冠婚葬祭のような場でもしっかり聞き取りたい、という方は440が要望を叶えやすく、静かな場所で2~3の人数で対面で会話が聞き取れれば良い、という方は110でも要望を叶えやすいです。勿論個人差はあります。
実際にどれくらいのクラスが良いのかは、補聴器販売店スタッフにご相談ください。

WIDEX ALLUREは多くの方にお薦めできます!

WIDEX ALLUREは
◎ 補聴器初めての方
◎ 現在補聴器を使用されていて人工的な音が気になっている方
◎ 自分で補聴器操作することに自信がない方
◎ 耳かけ型で充電式、そして目立ちにくい補聴器が良い方
にお薦めです。

ピュアサウンドの自然な音、環境に合わせて補聴器が最適な聞こえに常時変更してくれるサウンドクラス、言葉にメリハリを与えてくれるスピーチエンハンサーProなど、初めての方が違和感少なく補聴器を使用できる機能がそろっています。勿論、補聴器に慣れた方にもお薦めできる補聴器です。

補聴器のご相談・ご試聴は岩永グループ各店へ!

この記事を書いた人